臨床検査室

 臨床検査室は、臨床化学検査・血液検査・一般検査・細菌検査からなる検体検査部門、病理検査部門、生理検査部門から構成され、検査医1名・臨床検査技師35名・事務員1名が在籍しています。
 臨床検査室では、スタッフそれぞれの習熟度に合わせた指導・育成と、ライフステージに対応した柔軟な勤務体制に取り組んでいます。

<臨床検査室の基本方針>
1. 働きやすくやりがいのある職場づくり
2. 社会変化に適応した人材の育成
3. 検査の精度保証とアドバイスサービスの推進

 医師の的確な診断・治療は、様々な検査にもとづいて行われます。そのため、当院の臨床検査室では、迅速かつ正確に検査結果の報告が出来るよう努めています。また、患者さんの急変時や緊急検査には24時間体制で対応し、安心安全な医療を提供しています。

 

臨床化学検査

 電解質・肝機能・腎機能などの生化学検査、感染症・生体内ホルモン・腫瘍マーカーなどの免疫血清検査に加え、血液型・不規則抗体・交差適合試験等の輸血検査を実施しています。いずれも大型分析装置を用いて、日々の機器メンテナンスや精度管理をしっかりと行い、信頼性の高い結果を迅速に臨床へ報告しています。


血液検査

 血液中にある細胞の数(赤血球・白血球・血小板など)を自動血球分析装置で測定し、炎症や貧血、血液疾患の有無などを調べます。何らかの異常が疑われる場合には、顕微鏡で血液細胞を観察し、細胞形態や異常細胞の有無を精査しています。
 また、骨髄液を顕微鏡で観察し、検査所見について医師とディスカッションを行うことで、造血器腫瘍の診断に寄与しています。
 その他、血液の止血・線溶に関する検査では、手術前や抗凝固薬のモニタリング等のために測定します。更に、糖尿病チームにも携わっており、自己血糖測定の指導や教育入院での講義なども担当しています。


一般検査

 尿中の細胞(血球・上皮・結晶など)を自動分析装置で測定します。必要があれば、円柱及び赤血球の形態や異型細胞の有無を顕微鏡で観察することにより血尿や蛋白尿などの原因検索に役立てています。
 その他、髄液や胸水・腹水といった体腔液、関節液やCAPD排液など様々な検体を取り扱っており、大腸癌のスクリーニングに有用な便潜血の定量検査も実施しています。


細菌検査

 血液・痰・尿・膿など、身体から採取されたさまざまな検体から、感染症の原因と考えられる微生物(細菌や真菌)を見つけ出すために、塗抹検査や培養検査を行っています。そして菌の名前を特定するための同定検査、検出された菌がどのような抗菌薬が効くか調べる感受性検査を行います。
 その他、迅速検査として細菌やウイルスの構成成分の検出のため遺伝子検査や抗原検査も行っています。更に、感染制御チームにも参画し院内感染防止対策に貢献しています。


病理検査

 病理組織診断では、生検や手術材料から作製した標本を顕微鏡で観察し、癌をはじめとする様々な疾患の診断を行います。種々の免疫染色や遺伝子検査も行っています。
 細胞診では、尿や婦人科材料に加え、気管支鏡などベッドサイドで採取した擦過細胞診や穿刺吸引細胞診材料などを、細胞検査士と細胞診指導医でダブルチェックし報告しています。術中迅速や病理解剖にも対応しています。

 

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生理検査

 超音波検査は、心臓・血管・腹部・体表など、各領域の有資格者により検査を行っています。生理機能検査は、心電図検査をはじめ動脈硬化検査やペースメーカーチェック等の循環器領域、脳波や誘発電位検査などの神経検査、肺機能や喘息などの呼吸器領域、聴力検査やめまいの検査などの耳鼻科領域など、多岐に渡ります。
 その他、睡眠時無呼吸検査や術中モニタリング、アブレーションにも参加し、医師や他職種とともに患者さんの治療支援にあたっています。


外来採血

 臨床検査室主体で実施しています。外来患者さんの診察までに検査結果が報告できるよう、迅速かつ丁寧な採血業務を心がけています。


チーム医療への参画

 現在の医療は、患者さんを中心に多職種が協力し合うチーム医療が欠かせません。臨床検査技師も、院内の各チームに参画し専門性を発揮しています。

感染対策チーム 栄養サポートチーム

肝炎コーディネーターチーム 糖尿病教室


専門資格者

 患者さんに安心して検査を受けて頂けるよう、医療と検査の質向上を目指して自己研鑽に励み、多くの認定資格を取得しています。

超音波検査士(消化器) 4名 細胞検査士 4名
超音波検査士(循環器) 3名 国際細胞検査士 1名
超音波検査士(体表) 2名 認定病理検査技師 2名
血管診療技師 1名 認定臨床微生物検査技師 1名
植込み型心臓不整脈デバイス 認定士 1名 二級臨床検査士(微生物) 3名
JHRS認定心電図検査士 1名 二級臨床検査士(血液学) 1名
心電図検定1級 4名 二級臨床検査士(免疫血清) 1名
心電図検定2級 3名 二級臨床検査士(循環生理) 1名
心電図検定3級 2名 緊急臨床検査士 2名
乳がん検診超音波検査実施技師 2名 POCT測定認定士 1名
聴力測定技術者 1名 有機溶剤作業主任者 3名
医療技術部門管理資格 1名 特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者 2名
医療安全管理者 1名 甲種危険物取扱者 1名
精度管理責任者 2名 乙種危険物取扱者 1名
臨地実習指導者 3名 毒物劇物取扱責任者 2名
愛媛県肝炎医療
コーディネーター
6名 がんゲノム医療
コーディネーター
1名

2024年7月現在


実績(2023年度)

 各種学術集会では日頃の成果を発表し、各種研修会では講師も務めています。

開催月 学会・研修会/演題名
6月10~11日 日本臨床細胞学会総会春期大会(地域推薦演題:ポスター発表)
「体腔液セルブロックを用いたオンコマインDx Target Testの有用性」
6月18日 愛媛県臨床検査学会(一般演題)
「当院生理検査室のタスクシフト/シェアの取り組みと今後の課題」
9月15~16日 第56回日本医学検査学会中四国支部学会(一般演題)
「膀胱腫瘍の精査を契機に発見された陰茎癌の一例」
「当院における3機種の超音波装置を用いた肝脂肪評価の比較」
「1週間ホルター心電図によって検出した持続性心室頻拍が検出できた1例」
10月14日 日本超音波医学会  四国地方会学術集会(一般演題)
「Paget病の1例」
11月4~5日 日本臨床細胞学会秋期大会(細胞検査士要望シンポジウム)
「セルブロックを活用した遺伝子検査」
11月25日 看護の専門性の発揮に資するタスクシフト/シェアの推進
「臨床検査室の取り組み」
1月21日 愛媛県臨床検査技師会  病理細胞研修会(講演)
「認定病理検査技師制度と試験内容」
2月15日 愛媛県臨床検査技師会  免疫血清研修会(講演)
「臨床現場における梅毒検査・市民病院の検査手順紹介」

 

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