初期研修2年目 岡市 医師(基幹型)
私は2年間の基幹型プログラムとして松山市民病院で初期研修を行いました。研修先に松山市民病院を選んだ理由は2つあります。1つは救急診療で多くの症例を経験できること、もう1つは中規模病院ならではの研修ができるということです。
私は学生時代から泌尿器科志望でした。その当時、私は「泌尿器科はいわゆるマイナー科で専門性・特殊性の高い診療科であり、発熱や外傷などのcommon diseaseは初診で診ることは少ない」と思っていました。そのため、「泌尿器科医になるには専門性の高い症例が多く集まる大規模病院で研修するのが良い」と考えていました。しかし、現実にはそうではなく、入局後に関連病院で専門医研修をする中で救急医療をする、それも、病院によっては1人で救急を任せられるということを知りました。そこで、救急医療でcommon diseaseを多く経験できる病院を研修先として考えるようになりました。現在の松山医療圏の救急体制は輪番制であり、8日に1回の救急日を各病院が受け持っています。松山市民病院の初期研修医は毎回の救急日には日勤・準夜勤・深夜勤のいずれかで必ず救急外来に携わります。大規模病院に比べて研修医の数が少ないため、1人1人が担当する患者数は当然多くなり、否応なく救急疾患への対応能力は向上します。この2年間で学んだ救急疾患への対応は、1人で救急を任せられるような時も含め、今後の医師生活において必ず役に立つものであると感じています。
私は研修においては様々な種類の症例を経験しておきたいと思っていました。それぞれの病院によって、実施可能な治療は違ってきます。経験する症例も異なってくるということです。例えば、手術支援ロボットが導入されている大規模病院では、ロボット手術による治療が必要な症例が必然的に集まり、そのような症例に特化した研修ができます。松山市民病院には現在、手術支援ロボットは導入されていません。導入されていないからこそ、特定の疾患に特化した研修ではなく、幅広くバラエティに富んだ症例を経験できました。これはロボットによる手術治療、つまり外科系に限ったことではなく、内科系においても同様なことは言えるのだと思います。また、病床数が少ない故に受け持ち患者の数が限られますが、その分、一人一人の患者、疾患に対して考える時間が多くとれます。急かされた研修ではなく、じっくりとした研修ができる点で、松山市民病院の規模は丁度よかったと感じています。
初期研修2年目 横山 医師(基幹型)
私は、基幹型初期研修医として2年間松山市民病院で研修をさせていただきました。
私が松山市民病院を選んだ最初のきっかけは、5回生の頃、部活の先輩に勧められたことです。自由に研修ができ、病院の雰囲気もいいし、建物も綺麗で街中から近い。その言葉に魅力を感じた私は病院見学を申し込みました。その際は1日のみの見学であり、雰囲気もよく分からないまま終わってしまいました。6回生になり、2週間の学生実習で市民病院の救急科を選択することにしました。そこで、上級医の先生や初期研修医の先生と関わる中で、研修の日々が楽しく、勉強になり、やり甲斐もあると感じました。
実際に初期研修を始めてみて、研修内容の一番の魅力は、やはり自由度が高い点です。私は初期研修開始時には耳鼻咽喉科志望でしたが、研修をしていく中で消化器内科志望に変わりました。そのため、内科に重点を置いた研修や、他病院で消化器内科の研修をしたいと考えるようになりました。当院での研修であれば2ヶ月先の研修科の変更が可能であり、1年目に決めていたスケジュールから大きく変更することができました。
また、総合病院としては比較的小規模な病院であるため、各科の垣根が低く、様々な科の先生に相談しやすい環境であることも利点です。困った際や疑問点がある際は、回っている科以外でも先生を見つけて直接相談することも多くありました。
また、子育て中の女性医師が多く、初期研修医以降の働き方のイメージがつきやすいのも女性にとっては魅力だと思います。
原稿を書いている今現在、消化器内科をローテートしているため、1日の流れを以下に示します。
平日は8時には病院に到着します。担当患者の回診をし、8時20分~消化器内科の朝カンファレンスに参加します。午前中は内視鏡や腹部エコー検査を実際に行い、沢山の症例を経験することができます。昼休憩中は、ご飯を先生方と食べたり、仮眠を取ったり、談話したり、自由に過ごします。午後はEPCP等の検査見学や病棟業務、自己学習をします。何もない日は16時45分の定時に帰宅し、土日も隔週で休みがあります。そのため、プライベートの時間もしっかり取ることができます。先生方に、飲み会やかき氷屋さんやステーキ食べ放題に誘っていただいたり、同期と遊びに行ったり、充実したアフター5を過ごせると、仕事のモチベーションもアップします。
市民病院の初期研修に興味がある方は、実際に病院見学をしにきてください。お会いできるのを楽しみにしています。
初期研修2年目 近藤 医師(基幹型)
松山市民病院で2年間研修をさせて頂きありがとうございました。
当院ではローテートが比較的自由に組めるため、私も所々研修科を変更し研修を行いました。丁寧にご指導下さる先生が多く、また自身の志望科が決まってからは志望科に合わせた研修内容を組んで下さることもあり、大変充実した研修となりました。
私は、3年目は愛媛大学の脳神経内科に進みますが、内科に進む私でも再度回ってしまうほど、当院外科研修はお勧めできます。様々な手術に触れ、また腹腔鏡の操作や閉創など実際にさせて頂けることも多く、一番は先生方がとても親切で熱心にご指導くださるため、外科志望の先生はもちろんのこと、他科志望で外科に触れる機会を欲している先生でも楽しく有意義な研修になると思います。
また、当院での研修で一番大きなメリットは救急と思っています。松山市は二次救急が輪番制のため、当病院は8日に1回救急があります。ざっと1ヶ月に4回程度となりますが、研修医は毎回救急日に救急に入ります。平日の場合、日勤(12:30~16:45)、準夜勤(16:45~0:00)、夜勤(0:00~8:30)のどこかに入ることになりますが、この救急での経験値は計り知れない財産となります。カルテの書き方、問診の取り方、果ては他科の先生とのコミュニケーションの取り方までこの場で学んだことが生きてきます。また、整形外科や脳外科などは専門科の先生に教えて頂けるため、画像の読み方や所見の取り方等その科を回らなくても教わることが出来る点も大きなメリットです。一次・二次救急をある程度しっかり研修しておきたいと思っている救急科以外を志望されている先生こそぴったりな病院と思います。もちろん救急科もあり、そこではバイタルの管理など高度な治療を学ぶことも出来ますので救急科志望の先生に合わないと言うわけではありませんが…
その他にも食堂のご飯が美味しいため、毎日の食事という意味でも質の高い病院と思います。少なくともE大学病院の食堂よりは美味しいです(※個人の見解です)。また、現在はコロナ下で自粛してはいますが、2019年度(初期研修1年目)では研修医同士飲みに出たりするにも立地が良いため研修医同士の交流や上の先生との交流も気軽に行うことが出来る点も良い所だと思います。
私の志望科である脳神経内科は当病院では常勤の先生は居られますが、入院を持っていないため研修を行うことが出来ません。しかし、志望科が回れなくても愛媛大学で研修させて頂きましたし、それを差し引いても大変有意義な研修であったと思います。
これから、当院で研修を考えておられる先生方も、私のように楽しく有意義な研修になることを願っております。
初期研修2年目 堀内 医師(基幹型)
私は松山市民病院基幹型で2年間初期臨床研修を行いました。市民病院の魅力をいくつか紹介します。
一番は豊富な症例を学ぶことができます。それに伴い様々な手技のチャンスを得ることができる点だと思います。初期臨床研修2年間で、挿管、Aライン、CVC留置、胃管留置、胸腔ドレーン等、緊急で必要となる処置を、自信をもって施行することができるようになりました。文献で学ぶことも重要ですが、処置は繰り返すことによる学びが多くあるため、指導医のもと数多くの処置をこなすことができたのは大変良かったと思います。
また、症例に対する病態生理もしっかり学ぶことができます。市民病院は400床程度と中規模の病院ではありますが、各診療科の垣根が低く、病態が理解しにくい症例も専門科の医師に気軽に相談ができ、治療方針を考えていくことができました。また、研修医に振られる症例数も丁度良いため、1つ1つの症例に対してproblem list を作成し、全身管理を行いながら、体系的に加療を行う癖を身につけることができたと思います。
松山市の救急は輪番制であり、8日に1回救急日が回ってきます。そのため、初期臨床研修医は週1回程度、救急対応を行います。私も1年目の最初は「胸痛」「腹痛」「めまい」等よくある主訴、ひとつひとつに戸惑いながら対応を行っていました。
しかし、繰り返す中で「主訴」に対する典型的な鑑別疾患や非典型的な鑑別疾患、除外しておきたい鑑別疾患を考えながら、必要な検査・処置をイメージし、ある程度指示を出せるようになったと思います。救急は初めのうちは大変緊張すると思いますが、慣れないうちは指導医が救急対応をしっかりサポートしてくれますので安心です。
専門的な分野の研修についても充実しています。これから初期臨床研修を行う皆さんも、将来専門とする診療科をある程度イメージして研修を始めると思います。しかし、臨床を行う中で別の科に興味が沸くことも時にはあると思いますが、市民病院の場合はスタッフがローテート調整を行ってくれるため、興味のある科を長期に渡って研修することが可能です。
また、大学病院がどのようになっているのか気になった場合も、市民病院の研修プログラムで回ることができるので安心です。
ぜひ一度、松山市民病院に見学に来て下さい。
初期研修2年目 毛利 医師(基幹型)
私は基幹型プログラムで2年間、当院で初期研修を行いました。内科6ヶ月、外科3ヶ月、麻酔科2ヶ月、救急科2ヶ月、地域医療1ヶ月、その他選択科として泌尿器科、整形外科、放射線科等をローテートしました。当院での初期研修について感じたことを少しご紹介させて頂きます。
当院の初期研修の特長として、自由度が高く比較的自分の希望通りに回れることが挙げられます。私は3年目以降の診療科が決まっていなかったため、必修の科以外は迷っている科で長く研修させてもらい、進路決定に役立ちました。ローテーションの変更もある程度融通が利くので、希望が変わった場合も対応できます。また、当院に無い診療科も愛媛大学で研修することができるため、何科志望でも問題ありません。
診療科間の垣根も低く、今まわっている科以外でも興味がある処置や手術等には、時間があれば参加させてもらえる場合もあります。ただ研修医に任せられる決まった仕事が少ない科もあるため、仕事を自分で見つけられる人や、希望をはっきりと言える人が合っているのではないかと思います。逆に言われたことをやるだけの人は、忙しい大病院の方が向いているかもしれません。
また当院は救急輪番の病院の1つで8日に1回救急日があり、研修医は毎回入ることになります。そのため多くの2次救急症例をファーストタッチで診ることができ、非常に勉強になります。上級医の先生も一緒に対応してくれますので、反省点や方針の相談も直ぐにでき、1年目から安心して多くの経験が積めると思います。この点は他の松山市内の大きな病院と比べて当院のメリットだと思います。しかし輪番制で1日に集中して患者が来るため、対応することに精いっぱいになってしまい、じっくりと鑑別を考えることが出来ない時もあり、一長一短ではあると思います。
研修病院選びは迷うことも多いとは思いますが、是非一度見学に来て雰囲気を見てみてくだい。
初期研修2年目 山根 医師(基幹型)
私は、基幹型プログラムで2年間研修をさせていただきました。当院での研修の特徴をいくつか紹介致します。
まず1つ目は、自由にローテーションを組めることです。自分で回る科や研修期間、その順番など自由に考えて研修を組み立てることができました。研修希望の診療科を変えたい人、なかなか科を決められない人もいると思いますので、2か月前迄なら変更の対応をしていただけるのは魅力的だと思います。
2つ目は、比較的柔軟に他院での研修を行えることです。精神科、産婦人科など当院に常勤医師のいない診療科をはじめ、希望すれば他の科も愛媛大学附属病院等で研修を行うことができます。当院と大学では症例の種類も大きく異なっており、この制度のおかげでより専門的な内容とcommon diseaseをどちらも学ぶことができました。ただ、他院での研修が可能な期間は年度により変更になる場合もあるようですので、他院での研修も視野に入れて当院を希望される際には、他院をローテーション可能な期間が何か月間あるのかなど確認をしてから応募するか、場合によっては愛媛大学の「たすきがけプログラム」などもよい選択肢だと思います。
3つ目は、研修医の人数がちょうどよい数であり、同期をはじめ先輩や後輩などとも非常に仲良くなることができます。慣れない仕事を始めて、悩み事などがあった時に近くに相談できる仲間がいたことはとても心強かったです。
4つ目は、救急外来でたくさんの経験を積めることです。当院では8日に1回松山市の救急輪番が回ってきます。当院では研修医全員が毎回日勤・準夜・深夜の3つの時間帯に分かれて救急を担当します。体力的に少し大変な時もありますが、8日に1回の頻度で救急の現場に触れることができ、多くの症例を経験することができました。令和2年度から他院で研修中にも、当院救急当番日のみ他院での研修に支障のない範囲で、救急に参加するシステムに変わったため、私は2年目の数か月間大学病院で研修を行いましたが、その間も救急の研修を続けることができ、非常に良かったと思います。
是非一度見学に来て、実際の雰囲気を感じてみてください。