初期研修1年目 井上 医師(協力型)
松山市民病院で初期研修1年目をさせて頂いた井上です。松山市民病院で1年間研修させて頂いた間で感じたことを少しでも伝えられたらと思います。
私は市民病院で血液内科3ヶ月、救急科2ヶ月、呼吸器内科・腎臓内科・消化器内科・循環器内科・麻酔科を研修し、愛媛大学附属病院で産婦人科・精神科を研修しました。市民病院にはメンター制度というものがあり最初の2ヶ月は自分のメンターをしてくださる先生がいる科を研修先として回ります。この期間はその後の研修をするにあたって非常に大切な期間となりました。病院のシステムや電子カルテの使い方など事務的な知識は勿論のこと、医師の患者との接し方、患者の状態把握、治療方針の考え方など実際に臨床をしていくうえで重要なことを学ぶ時間でした。
その後は将来進もうとしている科、必要だと思う科、研修を終えるために必須の科など様々な要素を含めて研修する科を決定していきます。自分でどの科を回るかを決めることができ、変更も2ヶ月前までは可能であることは研修をするにあたって、ありがたかったと思います。
これから研修医になる学生の皆様は救急対応ができるか心配されている方も多いと思います。松山市の救急病院は輪番制になっており、8日に1回救急担当になります。研修医は基本的に、救急当番は全員参加です。その時に回っている科によって、内科救急、外科救急、小児科救急などに振り分けられます。どの科の先生方も丁寧に患者さんの診方、救急車対応の仕方を教えてくださいます。最初は誰しも完璧な対応などはできませんが、患者が来るたびに「この患者の鑑別疾患は?」「どのような検査をすればよいか?」などを考え対応をしていくと、徐々にできていくようになると思います。また、救急車で運ばれてくる患者さんについては、主訴、年齢、性別は事前に情報が得られるので、その時点で先に調べたり、上級医に聞いてみたりしておくといざ来た時に、スムーズに診察を行うことができます。
ここまで仕事に関連する話をさせていただきましたが、社会人になってからこそ息抜きも重要になってきます。今までより自由に使えるお金は増えますが、時間はそこまではありません。その中でも仕事ばかりではなく時間があるときに趣味を楽しんだり、同期、上級医、コメディカルの方々と仲を深めたりして、on/offをはっきりさせることでよりよい生活を楽しんでいただけたらと思います。
初期研修1年目 上野 医師(協力型)
私は協力型プログラムとして、1年間松山市民病院で初期研修をさせて頂きました。当院では、消化器内科、血液内科、糖尿病・代謝内分泌内科、麻酔科、小児科を1ヶ月ずつ、呼吸器外科、循環器内科を2ヶ月ずつ、救急科3ヶ月をローテートしました。当院の魅力はたくさんあるのですが、今回は三つにしぼってお伝えしたいと思います。
一つ目は、ローテートする科、順番、月数は、自分で選ぶことができ、原則2ヶ月前までであれば変更が可能なところです。2年目は専門性の高い大学病院で研修するため、市中病院で研修中にみておきたい診療科を1年目に設定することができました。
二つ目は、救急対応をしっかり学べるところです。当院では、8日に1回の松山市の救急輪番があります。救急は内科救急、外科救急、整形外科救急、脳神経外科救急、小児科救急、救急科救急に分かれており、原則自分が研修している科の救急当番に振り分けられます。時間帯は、日勤帯・準夜帯・深夜帯の3交代制となっています。救急車対応ではファーストタッチをし、必要な検査を決めていきます。必ず指導医がついており、困ったときはすぐに相談することができます。救急外来では、診察前や診察後に上級医に相談しながら、1人で外来業務を行います。場合によっては、結果説明の際に上級医が一緒についてくれます。
三つ目は診療科ごとの垣根が低く、医療スタッフとの連携もとりやすいところです。
○様々な科の先生に、困ったときにすぐ相談に乗っていただける。
○外来看護師さんにルート確保のやり方、コツについて教えていただける。
○消化器内科や、循環器内科では検査技師さんにエコーのやり方を教えていただける。
○感染症の検体を提出したら、そのまま検査室に行きグラム染色を確認することができ、検査技師さんにグラム染色のやり方を教えていただける。
○抗菌薬で困った際は、抗菌薬に詳しい薬剤師さんに相談に乗っていただける。
○人工呼吸器、気管切開の気管チューブについて知るため、看護師さん向けの勉強会に参加させていただける。
これらのことは、それぞれの部門で関わったスタッフさんに自分からお願いしにいく形で行いました。手技も自分から先生にお願いすればどんどんやらせてもらえます。研修全体を通して、自主性が問われたように思います。
とても充実した研修生活を送ることができました。関わってくださった先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
初期研修1年目 加藤 医師(協力型)
私は愛媛大学の協力型プログラムで、一年間松山市民病院で初期研修させて頂きました。小児科2ヶ月、救急科2ヶ月、放射線科1ヶ月、麻酔科1ヶ月、皮膚科1ヶ月、糖尿病内科2ヶ月、血液内科1ヶ月、呼吸器内科1ヶ月をローテートしました。当院では、研修科と時期を他院と比べ自由に選ぶことが出来ます。進路が既に固まっている人はその科を多くローテーションできます。私は志望科が未定であったため様々な科を少しずつローテーションしました。更に年度の途中であっても、数ヶ月前であれば自分の興味関心のあることや学習したいことに合わせて変更することも可能でした。
当院では各科でのローテーションに加えて、8日に1回の救急輪番日には松山市の二次救急を担当します。研修医はローテーションしている科に合わせて内科・外科・整形外科・脳外科・小児科・放射線科に分かれて業務を行います。日勤・準夜・深夜の時間帯に分かれて、診察・検査・治療に至るまで学ぶことが出来ます。最初に救急をする日は、診断のついていない方を診察する事がほぼ初めての経験であり不安や緊張がありました。しかし上級医の先生方は熱心に指導してくださり、毎回の救急で経験する様々な症例を通して成長を実感することが出来ました。
松山市民病院は学生の時に実習していた大学病院などと異なり、重症症例や専門的な症例は比較的少なく、その一面を見れば当院での研修はもの足りないかもしれません。しかしそれらの病院と比べて肺炎や脳梗塞などのcommon diseaseは多く経験することができ、診察や治療を学ぶことが出来る点は大きなメリットであると思います。また、それらの病院と比べて、上級医やスタッフとの距離が近いことも挙げられます。救急では自分のローテートしている科以外の先生方と関わる機会も多く、医局が科ごとに分かれていないこともあり上級医の先生方には研修している科を越えて症例の相談・質問などをしやすい環境にあると感じました。各職種のスタッフの方も距離が近く、病院での仕事自体に慣れておらず分からないことが多い中でも優しく教えて頂きました。
愛媛大学の協力型プログラムである私は、2年目では大学での研修となりますが、上記の通り、松山市民病院では大学で学ぶこととはまた違った経験を積むことができたのではないかと思っています。来年度以降も、学んだこと、経験したことを活かして日々診療していきます。1年間ありがとうございました。
初期研修1年目 内藤 医師(協力型)
私は愛媛大学の協力型プログラムとして、1年間松山市民病院で初期研修させて頂きました。4月から順に消化器内科2ヶ月、腎臓内科1ヶ月、糖尿病内科1ヶ月、呼吸器内科1ヶ月、循環器内科1ヶ月、麻酔科1ヶ月、救急科2ヶ月、放射線科1ヶ月、外科2ヶ月をローテートしました。初期研修1年目の松山市民病院では、最初の半年間は全て内科で、さらに必修科や選択科も残りの半年間で研修したいと事前に考えていましたが、それが全て希望通りに叶った形となります。私は外科志望であったため、その他の科での研修期間が1ヶ月間のところが多いですが、それでも上級医の先生方は志望科の分け隔てなく丁寧に指導してくださり、先生方の思考に稚拙ながらでも追い付こうという努力と姿勢を意識することで非常に有意義な研修を行うことができました。
また、私が学生の頃から当院での研修の話は耳に入ってきていました。それは、可能な限り研修医の要望に応え診察・検査・治療・学会発表等に参加させて頂けるというもので、その意味はこの1年間を通して身にしみて痛感しています。医師以外の医療スタッフの方々も、指導医の先生が「まずは研修医に考えさせる」という方針で指導にあたってくださっている時は、非常に協力的に患者さんの情報提供や、難解な機器の説明等をしてくださいました。タイミングにもよると思われますが、私の場合は研修医同士の採血の練習にわざわざ看護師さんが付き合ってくださったり、同期の研修医と胃カメラを飲み合いたいと言えばすぐに上級医の先生が監督してくださり実現できたりと、業務以外の面でも大変好意的に対応して頂きました。そのようなことを回顧してみると、私自身、もっと貪欲に日々の診療に取り組むことができたのではないかと後悔の念が残る部分もあります。今後、当院にて研修をされる方には是非、細かな疑問や要望も上級医の先生や各部門の専門スタッフの方々にぶつけて研鑽して頂きたいと思います。
最後になりますが、私と関わってくださった患者さん、同期、先輩方、先生方や病院スタッフの皆さんに支えて頂き充実した研修生活を送ることができました。本当にありがとうございました。