初期研修2年目 淺野 医師(基幹型)
私は基幹型プログラムとして2年間松山市民病院で研修をさせていただきました。その中で感じたことを何点か紹介させていただきたいと思います。
まず、松山市民病院は研修病院の規模として大きすぎないため、診療科同士の垣根が低く、たくさんの先生方に様々なことを教わることができました。私が研修先の病院として市民病院を選んだ理由のうちの1つに、あまり病院規模が大きすぎない、ということがありました。病院の規模が大きいとその中に埋もれてしまい、学びたいことが思う存分学べないのではないかと考えたからです。常勤医師が1人しかいらっしゃらない診療科もあり、地域医療としての大変さを身に染みて感じることもできました。
また、8日に1回の救急当番日には、内科、外科、整形外科、脳外科、小児科、放射線科、救急科という7つの部門に分かれて救急業務を行います。脳外科や整形外科など、時間が足りずにローテーションできていない科を救急外来の場で学ぶことができたのは、大きな経験だったと思います。救急当番日には、たくさんの患者さんが来院するため少し体力的に大変なときもありましたが、3交代制となっているため、頑張ることができました。
また、研修医の数が多いと、その中でグループができてしまい、研修医全員で仲がいいというのはなかなか難しいと思いますが、松山市民病院は研修医の数が多すぎないので、研修医全員で仲がいい所が特徴だと思います。仕事で辛いことがあったときなど、気軽に同期のみんなとご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったりして悩みを打ち明けることにより仲間同士の結束も生まれ、明日からまた頑張ろうと思うことができました。いつまでも大切にしたい仲間に出会えることができたことが、私の中でとても大きかったです。
一方で、松山市民病院の欠点としては、産婦人科や精神科など、常勤医師がいない診療科の研修が手薄になってしまうことや、症例の内容に傾きがあることがあげられると思います。そういった点では、基幹型ではなく協力型プログラムとして研修することも考えてみるといいと思います。
たくさんある研修病院の中で自分に合った病院を選択することはとても大変なことだと思いますが、私は松山市民病院で研修ができてよかったなと思っています。興味がある方はぜひ一度見学に来て、松山市民病院の雰囲気を味わってみてください。
初期研修2年目 加洲 医師(基幹型)
私は基幹型初期研修医として2年間松山市民病院で研修させて頂きました。松山市民病院の研修の特色としてはローテーションの時期と期間を自由に組めることです。内科6ヶ月、外科系(麻酔・外科・産婦人科)2ヶ月、精神科1ヶ月、救急科3ヶ月のノルマさえ達成していれば、その他のローテーションは自分の好きなように組むことが出来ます。注意点として研修場所は松山市民病院に限られるということで、大学やその他外部の病院には基本的には出ることは出来ず、どうしても出たいという場合には基本給より救急手当てが引かれる形になります。地域医療で選択出来る病院は市立大洲病院、野村病院、西予市民病院の3つで、精神科の研修は真光園か大学で行います。
私は消化器外科志望ですが、1例としてローテーション内容を示します。1年目4~6月外科、7月麻酔科、8月~10月消化器内科、11月呼吸器外科、12月小児科、1~2月循環器内科、1年目3月~2年目4月外科、5月精神科(大学)、6~7月消化器腫瘍外科(大学)、8月麻酔科、9月消化器内科、10月地域医療(市立大洲病院)、11月救急科、12月~3月外科で、計11ヶ月外科を回ることが出来ました。大学での研修も大変勉強になるのですが、時間外手当が出ず救急手当ても引かれ、非常に薄給になってしまうため残念ながら2ヶ月までとしました。
松山市民病院での研修内容としては外科では1年目から虫垂炎や胆嚢炎、鼠径ヘルニア、ポート造設等の手術の執刀をさせて貰え、2年間で計20~30例ほどになります。消化器内科では毎日2~3例程度の上部消化管内視鏡検査をさせて貰えます。循環器内科ではカテが週に4例~6例程度あり、CAGであれば人によってはさせて貰える人もいますが私には無理でした。このように市中病院としては、手技を多く経験させてもらえることが松山市民病院の初期研修の特徴であると思われます。
私は学生時代から外科志望でしたが、松山市民病院での初期研修がなければその思いは続いていなかったかもしれません。3年目以降も引き続き当院に残れないのが非常に残念です。外科の指導医の先生方には、たくさんのことを教えて頂き大変お世話になりました。ありがとうございました。
初期研修2年目 河原田 医師(基幹型)
当院の初期研修プログラムについて
内科6ヶ月、選択必修3ヶ月、救急(2次救急含む)3ヶ月などの決まりはあるものの、その内訳やタイミングついては基本的に希望通りのローテーションを組むことができます。(もちろん、希望の重複などで調整が必要なこともあります。)私は当初と志望科が変わったので、それに合わせて特に2年目はローテーションを大幅に変更しましたが、すべて対応していただき、最終的に希望通りの研修ができました。
当院での研修の長所・短所
科の垣根が低く、ローテーションしている科のみならず他科の上級医も快く相談に乗ってもらえる、とても恵まれた環境です。研修医も人数が多すぎず、みんな仲良く何でも相談できるので心強いです。余計な話かもしれませんが、同期に助けられることは本当に多いので、どの病院に行ったとしても大切にすることをおすすめします!またコメディカルのスタッフもとても優しく、検査や病棟のことなど分からないことは聞けば何でも教えてもらえます。CVC、PICCなどの処置、内視鏡やエコーなどの検査、そして手術も、本人の希望とやる気次第で色々なことを経験することができます。
8日に1回の救急輪番日には、主に救急車のファーストタッチや、ウォークイン患者の診察を行います。2年経っても未だに毎回緊張しますが、常に上級医のいる環境で相談をしながら診療できるため、さほど心配はいらないです。足りないところをその場で学んでいると、2年間の間にいつの間にかアセスメントができるようになってきたように思いました。少なくとも、様々な患者さんに触れることができたのは今後に活きる貴重な経験だと感じたので、それも含めて当院で研修ができて本当に良かったと思っています。
短所は、産婦人科や精神科など常勤医のいない科があることでしょうか。それらの科の疾患を疑った場合は他院へ紹介することとなるため、その後の経過が気になる・・・といったことはありますが、それらの科の研修は大学などで行えるので、あまり大きな問題にはならないと思います。
当院での研修を検討している方へ
病院の雰囲気は実際見てみないと分からないことも多いと思います。ぜひ一度見学に来てみてください。
初期研修2年目 島本 医師(基幹型)
当院での研修について
当院の研修は病棟業務から検査、救急対応など本人が希望すれば様々な診療業務に主体的に携わることができ、なおかつ上級医や他の職種の方々から十分なフィードバックが受けられます。これは私が研修病院を選択する上で最も重視した点です。
病院全体として検査件数や手術件数が多くても見学のみで研修が終わってしまえば何も身につかず、かといって多くの手技を経験させていただいても事前・事後に適切な指導がなければ正しい技術の修得はできません。当院では研修医の到達度に合わせて手技の実践の機会を与えていただき、その都度改善点や次の到達目標についてご指導いただけるという点でとても良い研修環境にあると感じました。私は消化器内科を志望していますが、当院で初期研修のうちから超音波・内視鏡検査や学会発表を経験でき、希望に沿った研修ができたと思います。
救急当直では救急搬送患者や外来受診患者のfirst touchを研修医が行いますが、必ず上級医とペアを組んで診療に当たります。もちろん検査や治療の方針については自分で考えて提案し実行していきますが、経験豊富な上級医がいつでもすぐそばにいてくださり相談できるというのはとても心強かったです。救急での経験は急変時の対応を身につけるのみならず、これから内科医として一般外来をしていく上でも大切な経験になったと感じます。
また当院での初期研修は比較的work life balanceが保たれていると感じます。科によっては夜遅くまで処置を行ったり夜間や休日に緊急で呼び出されたりということもありますが、毎日のように早朝から深夜まで長時間の勤務が続く、ということは決してありませんでした。医局で書籍や論文を読む時間も確保できており、座学と実践のサイクルを作れたのも個人的には良かったと思います。疲れがたまっていれば無理せず早く帰って温泉に浸かったり、同期たちと飲みに行ったりと適度にリフレッシュを挟みながら研修を続けることができました。
研修病院で迷っている方へ
研修病院に求める要素は人それぞれだと思います。私は「頑張り続けられる病院」を選びました。研修をしていて辛い経験をすることもありましたが、指導医の先生方や同期に励まされ、休むときはしっかり休んで頭を切り替え、一歩一歩前進できた2年間だったと思います。
後期研修でも内科専攻医(消化器)として当院での研修を続けるので、よかったらぜひ一度見学に来てください。お待ちしています。
初期研修2年目 廣畑 医師(基幹型)
私は基幹型研修医として松山市民病院で2年間研修をさせていただきました。研修病院に松山市民病院を選んだ理由として、①救急の輪番病院であり救急の初期対応が学べること、②ローテーションの内容を比較的自由に選択できること、③アットホームで病院の雰囲気が良いこと、などがありました。
①に関して、市民病院は8日に一度、救急当番となっており、研修医全員が救急対応をすることになります。軽症から重症まで様々な疾患の方が来院するため、症状から診断し、治療方針を考えるといった実践的な研修が行えます。救急と聞くと大変なイメージがありますが、市民病院は3交代制度であり、無理をすることなく救急対応を学ぶことができました。
②に関して、私は研修開始時には志望科が決まっていなかったため、色々な科で研修したいという希望があり、短い期間で多くの科を回らせていただきました。研修修了に必須の診療科の研修を終え、志望科を決めてからはその科を重点的に回らせていただくことができました。
③に関して、様々な診療科の先生が同じ医局にいることもあり、困ったことがあればすぐに相談することができます。手技などがある際には声をかけていただけることもあり、多くの経験を積むことができました。また、コメディカルの方々もとても優しく、働きやすい環境でした。
研修を通して得たものはたくさんありましたが、一番は同期、先輩、後輩、先生、スタッフの方々とのつながりだと思います。困ったときに相談できる、愚痴を言える仲間がいたことでつらいことも何とか乗り越えることができました。今後は愛媛大学で後期研修をすることになりますが、市民病院で学んだことを生かし、精進したいと思います。市民病院の方々には本当にお世話になりました。ありがとうございました。