はじめに
2010年1月に、医師、認定看護師、臨床工学技士、理学療法士、歯科衛生士の多職種で構成された呼吸ケアチーム(RST)を立ち上げ活動を開始しました。
メンバー構成
医師 | 3名 | 理学療法士 | 2名 |
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看護師 | 2名(認定看護師1名) | 歯科衛生士 | 1名 |
臨床工学技士 | 2名 | (内、呼吸療法認定士4名) |
目的
肺や心臓などが悪く呼吸不全になり、人工呼吸器が必要となった患者さんに対して安全に治療が実施できるよう支援することです。
人工呼吸器管理の必要性
人工呼吸器は、体内に必要な酸素を取り入れ、不要となった二酸化炭素を吐き出す呼吸の手助けをしてくれます。患者さんの息苦さを最低限にして快適な呼吸状態を維持するためには、人工呼吸器の設定、患者さんの呼吸や全身状態を多職種でしっかり観察する必要があります。また長時間、人工呼吸器に頼っていると様々な合併症を発症します。
人工呼吸器に伴う合併症
①自分で呼吸する力が弱くなり、人工呼吸器から離脱(必要なくなる事)できなくなる可能性があります。
②寝たきりの生活で手足の筋肉が弱り、人工呼吸器から離脱した後も、長期にわたり日常生活が制限された
り、歩けなくなる方も存在します。
③喉に管が入っているので、自分の唾液などを飲み込みことが難しく、誤嚥性肺炎を起こす危険があります。
④食物を自分で飲み込む力が弱ります。
⑤苦痛が長時間続くと精神的障害や認知機能の低下を起こします。
これらの合併症を予防するためにも、適切な痛みの除去や患者さんの呼吸状態の観察、呼吸リハビリをより早期から開始することも重要になります。
活動内容
①ラウンド
毎週水曜日14時から開始し、メンバーは集中治療室に集合します。
確認事項として、安全に呼吸器管理が出来ているか、適切な設定になっているかを確認します。
その他、鎮痛(痛みを取る)・鎮静(苦痛を取る)調整、喀痰の状態、適切な物品使用、口腔ケア(口の中を清潔に)、適切に身体を動かしたり、呼吸リハビリ開始状況等の確認を行い、より早く人工呼吸器から離脱できるよう助言・支援しています。
②標準化
人工呼吸器に関するマニュアル作成、基本手技の統一、使用物品の見直し、チェックリスト作成を行います。
③教育
メンバーは定期的に会議を行い、メンバー間の情報交換や年間の勉強会・研修会の開催計画をたてます。計画をもとに定期的に勉強会を行い、病院スタッフの呼吸器に関する知識や能力の向上を図り、より安全に呼吸器患者さんのケアができるよう支援しています。また、依頼があれば各病棟でミニ勉強会を開催します。
④診療支援(コンサルテーション)
各病棟から呼吸器に関する問い合わせに対応します。