乳腺外来

乳腺外来について

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大住 省三 大住 省三

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大住 省三
梅岡 達生
梅岡 達生
大住 省三

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☆当院のマンモグラフィ撮影技師、エコー検査技師はすべて女性です☆

※乳腺外来は予約制ではないので、直接お越しください。(⇒外来受診の流れはこちら
(参考)料金は約5千円(初診料込み、3割負担)となります。
詳しくは外科外来へご確認ください。

1.乳がんについて

乳癌によく認められる症状として ・ 乳房のしこり、痛み ・ 乳頭からの分泌物、ただれ ・ わきの下のしこりなどがあります。乳癌の早期発見・治療のためにこれらの症状がある方には「乳癌の検査」を受けられることをお勧めします。

乳癌の検査には以下の1)~5)の検査があります。

1)視診・触診 医師が実際に眼で見て、触って乳房を検査します
2)マンモグラフィ 乳房専用の特殊なレントゲン装置で乳房を撮影します
3)超音波検査 乳腺専用の超音波エコーで検査します
4)細胞診 乳房の腫瘍が疑われる場合、細胞を採取し顕微鏡で悪性度を調べます。
注射用の細い針で病変を刺し、細胞を吸引する「穿刺吸引細胞診」と乳頭からの分泌物を採取して細胞を調べる「乳頭分泌物細胞診」があります。
5)組織検査 乳腺の腫瘍や癌が疑われる場合、病変の一部を採取して病理組織診断(顕微鏡で組織を調べる)を行います。
多くの場合は局所麻酔下に専用の針を用いて組織を採取します。エコーで確認できる場合はエコー下針生検を、マンモグラフィでしか病変を確認できない場合はステレオガイド下マンモトーム生検を行います。

また乳癌と診断しましたあとは病期を決定し、治療方針を決めるため、CT、MRI、シンチグラフィー等を行います。

マンモグラフィについて

乳腺専用のX線検査装置です。当院では読影は放射線科医と外科医の2重チェックを行っています。

乳がんの治療

乳癌の治療には、(1)手術 (2)化学療法 (3)ホルモン療法 (4)放射線療法 がありますが、病気の進行程度によって(1)~(4)を組み合わせて行うのが一般的となっています。

(1)手術

腫瘍の大きさや性状、希望により手術方法を決定しています。温存できるものは可能な限り温存するというポリシーで行っています。

①乳房温存術 原則的には3cm以下で腫瘤が1個のときに行いますが、2個以上でも根治性、整容性が保てるようでしたら行います。切除する形状により乳房円状部分切除術と乳房扇状部分切除術があります。乳房温存術を施行しました場合は一般には温存した乳房に放射線照射が行われます。また腫瘤が3cmより大きい場合も手術前に化学療法を行い腫瘤を小さくして温存術を行うこともあります。乳房切除術に対しましてよりよい整容性と少ない入院期間が可能です。
②乳房切除術 乳房を切除します。乳房温存術に比べて局所再発率が低く、放射線を照射しなくてよい場合が多いという特徴があります。
③乳腺全摘術 皮膚を残して乳腺だけを切除します。そのあとはティッシュ・エキスパンダーを挿入し、再建します。
④腋窩リンパ節郭清(かくせい:ひとかたまりにとること)、センチネルリンパ節生検 上記の手術に加え、腋の下のリンパ節郭清も一般的に施行します。術前に明らかなリンパ節転移が認められない場合はセンチネルリンパ節生検といいまして、最も転移の確率の高いリンパ節を一部取り出してリンパ節転移を組織学的に確認した後、転移のある場合にはリンパ節を郭清することがあります。このことにより手術後に患側の腕が腫れるという合併症の発生を減らすことができると考えています。

乳房切除後の乳房再建術に関しては、ご希望の方に形成外科との協力で施行します。胸のふくらみを維持する方法としては、乳癌術後の方専用の下着や装具が開発されています。かなり完成度の高いものです。

(2)化学療法

抗がん剤による治療です。

①術前化学療法 以前は進行した乳癌を中心に行っていました。現在では比較的早期でも、乳癌のタイプによっては行います(より再発が少なくなることが分かっています)。アンスラサイクリン系、タキサン系、プラチナ系と呼ばれる抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて行います。
②術後補助化学療法 抗癌剤のメリット(再発を減らす)が副作用等のデメリットを上回ると思われるときに行います。進行度、タイプに合わせて行います。アンスラサイクリン系、タキサン系、プラチナ系と呼ばれる抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて行います。術前化学療法とセットで行うときもあります。
③再発化学療法 再発した場合に行います。状況に応じて様々な種類の抗癌剤よりより効果があり副作用の少ないものを選びます。

(3)ホルモン療法

乳癌は女性ホルモンの影響を受ける性質を持つものが多くあります。その場合はホルモン療法(内分泌療法ともいいます)を行いますと明らかに再発しにくかったり、再発後も腫瘤が小さくなることが認められています。経口剤や注射剤があります。ホルモン感受性がある乳癌に対して積極的に使用します。ごく早期の乳癌以外は、感受性(+)であれば、使用することが多いです。分子標的薬を組み合わせることもあります。

(4)放射線療法

放射線科依頼で施行します。乳房温存術をした時に、温存乳腺に放射線を照射します。一般的に放射線照射をしなければ10年間で2~3割の人に乳房内再発があるといわれておりそれを制御するために行われます。乳房温存術とはセットになっています。乳房切除術を受けられた方でも、再発リスクの高いときは行います。照射は1日1回、1回10分程度、4~5週間ですので外来通院でも可能です。また、術後の再発乳癌で、放射線照射の適応の場合にも使用します。

VOL-Net(乳癌友の会)

3.当院における乳癌クリニカルパス・乳癌の病期分類

当院における乳癌クリニカルパス

当院における乳癌クリニカルパス

乳癌の病期分類

T:腫瘍径

大きさ
(cm)
胸壁固定 皮膚の浮腫、潰瘍、
衛星皮膚結節
TX 評価不可能
T is 非浸潤癌、腫瘤を認めないPaget病
T0 原発巣を認めない
T1 ≦2.0
T2 2.0< ≦5.0
T3 5.0<
T4 a 大きさを問わず +
b +
c + +
d 炎症性乳癌

N:リンパ節

同側腋窩リンパ節  胸骨傍
リンパ節 
同側鎖骨下
リンパ節
同側鎖骨上
リンパ節 
  可動 固定
(周囲組織またはリンパ節相互間)
NX 評価不可能
N0
N1 +
N2a

  b

+

+

N3a

  b

  c

+/-

+

+/-

+/-

+

+/-

+/-

+

+/-

+

+/-

+

乳癌の病期分類(ステージ)

MX:遠隔転移不明
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり

T is、T0 T1 T2 T3 T4
M0 N0 0 ⅡA ⅡB ⅢB
N1 ⅡA ⅡA ⅡB ⅢA ⅢB
N2 ⅢA ⅢA ⅢA ⅢA ⅢB
N3 ⅢC ⅢC ⅢC ⅢC ⅢC
M1

4.乳がん自己検診のすすめ

乳がんは、ご自分で検診、発見できる数少ない疾患です。現に、外来を訪れる早期の乳がんの方の90%以上は、自己発見です。このページを見て、正しい乳がん自己検診をマスターしてください。

1自己検診は月に1回

心配のあまり、毎日、検診をしているという方がおられますが、これでは変化がわかりません。概ね、月に1回程度をお勧めします。
<閉経前の方> 生理前の2週間は、高温期にありますので乳腺が張って、検診にはむきません。 生理終了日から5日目の間が適当でしょう。
<閉経後の方> 健診に不向きな日はありませんが、前述のごとく、月に1回程度ということで、ご自分で日を決められて、たとえば毎月1日とういふうにすればよいと思います。

しこりなど異常を見つけたら

自己検診は月に1回

医療機関を受診し、乳腺のレントゲン撮影(マンモグラフィー)、超音波検査などを受けてください。

2視診(乳房の形を観察)

視診

上半身裸になり、鏡の前に立ってください。

  • 乳房の形や大きさに変化がないか、著しい左右差がないか
  • 皮膚のくぼみや、ひきつれがないか
  • 乳首がへこんだり、発赤・ただれがないか

を観察してください。

3腋窩(わきの下)を調べます

腋窩(わきの下)を調べます

わきの下に腫れたリンパ節がないか調べます。

4触診

触診

しこりの有無を調べます

指のはらを使い、身体の外側から内側に向けて乳房の上を滑らすようになぞります。
一度にやらずに、乳房の内側と外側に分けて調べます。br /> 手のひらは鈍感なので、指のはらを使ってください。

5乳首を調べます

乳首をしらべます。

お乳をしぼるようにして乳頭から異常な分泌がないかしらべます。乳汁様のものは時に観察されることがありますが、血液混じりのものは要注意です。

5.その他の乳腺疾患

乳腺内にできる病変の代表的なものを列挙します。

線維腺腫< 数mmから数cmの腫瘤です。内部には線維組織が充満しています。20~30才代によく見られます。触れると皮下でよく動きます。
葉状腫瘍 巨大になることが稀でなく、手術適応となることが多い疾患です。
乳腺症 乳腺の一部が硬くなったものです。乳癌と症状が似ている時もあり、精密検査を行うこともあります。
嚢胞 乳腺組織の中に袋ができます。袋の中身は液体です。
乳腺炎 急性乳腺炎は乳汁うっ滞によることが多いです。 
乳輪下膿瘍 切開等が必要なことがあります。

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