2022/05/12
ケロイド、肥厚性瘢痕の治療
手術やケガの痕、にきびや吹き出物、ピアスの穴、これらから、赤く、硬い腫瘍の様なものが拡がってくるのがケロイドです。また、一時的に広がって、しばらくすると落ち着いてくるものが肥厚性瘢痕です。
どちらもかゆみを伴うことが多く、掻くことによってさらに悪化してしまいます。
腫瘍のように見えますが、性質が異なり、どちらかというと炎症性の疾患になります。
原因として、体質はかなり大きな要素です。外力、特にそこが引っ張られる力も重要な要素であると言われています。
程度によっては治療が必要となります。
治療方法
①テーピング
引っ張られる力を弱めるためにテープで周囲を引き寄せる治療です。
②抗炎症の薬剤
副腎皮質ホルモン剤の外用、注射を行います。
抗アレルギー薬の内服も有効なことがあります。
周囲のにきびなどが炎症を悪化させる場合はその治療を行います。
③手術
手術が有効であると見込まれる場合には行います。
数年経過したケロイドは、あらゆる治療に抵抗してしまいます。切除して新しい傷跡にして、手術の治療を行う場合があります。
手術によって引っ張られる力を弱めることもあります。
④放射線治療
手術を行った後に放射線をあてることも行っています。傷跡に出てくる細胞の活動性を低下させ、早く安定した傷跡にするという目的です。
通常の悪性腫瘍にあてる放射線の4分の1から3分の1程度の線量をあてます。それでも被曝による合併症のリスクがありますので、照射の有効性とリスクとを考えた上で判断します。