2017/10/27
変形性膝関節症について
膝関節表面には軟骨があり、関節をスムースに動かしたり歩行したりできます。
その軟骨が老化や使いすぎなどで変性し、消耗し、骨が変形してくることで膝痛、歩行障害、膝の変形が生じてくる疾患です。女性に多く年齢と共に増加する傾向にあります。
症状
初期
- 膝の違和感、歩行時や動き始めの膝痛 O脚
中期
-
膝を完全に伸ばしたり、曲げたりできない - 膝に水が貯まる
- 膝の変形が出現する(O脚)
末期
- 少し歩くだけでも膝痛がある
- 日常生活の動作が不自由になる
検査
まず診察を行い、レントゲン撮影で骨の変形の程度等を確認し、必要があればCTやMRI検査にてさらに詳細に調べます。MRI検査では関節軟骨や靱帯、滑膜、骨髄などの詳しい病態が検査できます。
治療
1.保存的治療
- 鎮痛剤の内服
- ヒアルロン酸の関節内注射
- 足底板等の装具の使用
足に装着したり、靴の中に入れて使用する装具
足の外側を高くして、O脚を改善する。 - リハビリ
物理療法(温熱療法など)
大腿四頭筋の筋力強化
2.手術的治療
- 関節鏡
小さい皮膚切開で、膝関節の中を内視鏡で見ながら、半月板などの傷んだ所だけ切除したり、関節内を洗浄することで疼痛を軽減できます。 - 高位脛骨骨切り術
O脚になっている膝を、すねの骨を骨切りし角度を変えることで、O脚を改善させ、痛みを軽減することができます。
- 人工膝関節置換術
膝関節を人工の金属の関節に置換する手術です。膝の変形・膝痛が高度である場合行います。
※患者さんの手引き 人工膝関節置換術「より快適な生活へ」より
イラスト転載許可済み
整形外科 宮本 礼人