当院では骨粗鬆症治療、骨粗鬆症による脆弱性骨折予防のために骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)、骨折リエゾンサービス(FLS)を導入しました。
OLSとは
OLS(Osteoporosis Liaison Service):骨粗鬆症リエゾンサービスの略称
骨粗鬆症の脆弱性骨折を予防するために発足したサービスで、多職種のメディカルスタッフが相互に連携しながら実施する骨粗鬆症の予防と改善及び骨折防止の取り組みです。患者さんの1次骨折や2次骨折を予防するために骨粗鬆症の治療率と治療継続率を向上させるようにサポートを行います。
1次骨折予防
骨粗鬆症が原因である大腿骨近位部骨折や腰椎圧迫骨折(骨脆弱性骨折)を生じるとADLが低下し、生命予後も低下することがわかっています。そのような骨粗鬆症による脆弱性骨折を予防する必要があります。
FLSとは
FLS(Fracture Liaison Service):骨折リエゾンサービスの略称
一度骨粗鬆症性脆弱性骨折を生じた方は、2次骨折(新しい別の骨折)をしてしまう危険性が高くなります。2次骨折を生じないために、骨折の治療と同時に骨折の原因である骨粗鬆症の治療を行うことです。
メンバー構成 (2023年1月現在)
医師 | 2名 | 作業療法士 | 1名 |
---|---|---|---|
看護師 | 4名(4) | 管理栄養士 | 1名 |
薬剤師 | 2名(1) | 社会福祉士 | 1名 |
理学療法士 | 1名 | ()内の数字は、骨粗鬆症マネージャー数 |
-
年齢と共に骨強度が低下していくため、骨強度維持、骨折予防のために骨粗鬆症治療は継続が必要です。
骨粗鬆症の脆弱性骨折
- 大腿骨近位部骨折
- 脊椎圧迫骨折
- 骨盤骨折
- 上腕骨近位部骨折
- 橈骨遠位端骨折
検査
- 骨密度測定
- 血液検査(骨形成マーカー、骨吸収マーカー、カルシウム量など)
- レントゲン写真
- 骨密度測定装置DEXA
治療
-
治療薬(内服薬と注射等)
骨吸収阻害薬・骨形成促進薬・ビタミンD - 適切な運動
- 適切な栄養摂取
- 適度な日光浴
活動内容
- 脆弱性骨折を生じた患者さん、高齢の患者さんの骨粗鬆症の有無や病態の診断をして治療が必要か判断し、骨粗鬆症と診断された患者さんに対して、薬物治療の導入を行い、患者さんや家族に服薬指導、栄養指導、リハビリによる転倒予防等を行います。
- 医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、社会福祉士等の多職種で骨粗鬆症診断、治療、脆弱性骨折予防に取り組みます。
- 当院退院後、かかりつけ医やリハビリ病院と連携し骨粗鬆症治療の継続を推進します。
- 歯科とも連携し口腔ケアを行い骨粗鬆症治療に伴う合併症等を予防します。
これまでの研修
過去に実施しました研修会です。
動画をクリックするとご覧いただけます。
2022年度の院内研修会(下記)
骨折を予防するためにできること
治療を受けられる患者さんへ
骨粗鬆症による、いちばん大きな健康問題は骨折です。 骨折によって、日常の活動性や生活の質が低下して、自立した生活が難しくなり、寝たきりになる可能性も高くなり、健康寿命が短くなるおそれがあります。主治医の先生や、かかりつけ医の先生方と一緒に相談しながら治療を続けることにより、骨折や、再骨折のリスクを軽減することが出来ます。
治療を続けられる患者さんを支えていくことが私たちチームの使命です。