NASVA委託病床について
救急医療の進歩や自動車の安全性能の向上により、交通事故による死者数は年々減少傾向にありますが、重度後遺障害者数は約20年間ほぼ変化がありません。現在、全国10ヵ所で国土交通省所管の独立行政法人「自動車事故対策機構(NASVA)」の運営委託により、専門治療施設が設置されていますが、これまで四国地区にはなく、受傷患者は他の地域の施設で治療を行っていました。そこで、専門治療施設の「空白地域」の解消を図るため、当院が小規模委託病床(5床)の運営を受託し、意識障害の改善を目的とした治療を実施することになりました。
治療の対象者は自動車事故の脳損傷により重度の意識障害を負った方で、「運動・摂食・排泄・認知・発声発語機能」や「口頭命令の理解」の6項目を評価し、一定の意思疎通・運動機能の改善がなされる可能性が高い患者さんを事故後早期に受け入れ、専門的治療や看護、リハビリテーションを実施します。
入院期間は概ね3年以内となり、入院の承認は治療及び介護の必要性、脱却の可能性を総合的に判断して行われます。
また、季節の変化を感じることができる療養環境を整備し、五感を刺激しながら、わずかな意識回復の兆しを捉えるため、ワンフロア病棟システムにてプライマリー・ナーシング方式でケアを行います。さらに専任の医療ソーシャルワーカーを配置し、退院後の生活再建を万全の体制でサポートいたします。詳しくは下記までお問い合わせください。
※人工呼吸器を装着された方の入院はお受けすることができません。
※小児(15歳以下)の患者さんの受け入れについては、制限を設けていません
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お問い合わせ先
地域医療連携室 直通電話 089-913-0081 |
松山市民病院NASVA委託病床の特徴
特徴1:ワンフロア病棟システム
病室の仕切りを最小限にし、常に患者さんの状態を確認できるワンフロア病棟システムを取り入れています。ベッドの間隔を広げた、ゆとりのある配置となっています。
特徴2:手厚い看護体制とプライマリーナーシング
同じ看護師が一人の患者さんを主担当として、継続して受け持つプライマリーナーシング方式を採用しています。
特徴3:充実したリハビリテーション
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が患者さんの状態に合わせて、機能の維持・拡大を目的としたリハビリテーションを実施しています。
特徴4:専任ソーシャルワーカー
患者さんや家族をサポートするメディカルソーシャルワーカーを配置しています。入院時の各種調整や、退院時に利用できる様々な制度の相談に応じます。
特徴5:当院内の各種連携
病棟を担当する脳神経外科医に加え、他の診療科による治療が必要となる場合の連携体制が整っています。また、最新鋭のCT、MRI、脳血流SPECT、脳波計などの高度先進医療機器を整備しています。
1日の流れ(例)